2016年4月10日日曜日

真実の想いはつなぐではなく、つながる。

こんにちは、六代目彌市です(^^)/


ここにある一台の古い太鼓があります。

地元三河地域のお祭りで100年以上人々の中心にあった“音”。





ケヤキの立派なくり抜き胴。大きさは三尺三寸もあります!

現代価値にしたら1,000万円以上もする太鼓(^^♪


それが、地域住民の少子高齢化、人口減少により

祭りの後継者が育たずに、今回残念ながら

太鼓保存、管理が難しく、三浦太鼓店が引き取ることになった太鼓なんです。


できたのは、明治初期。約140年ほどまえでしょうか

太鼓屋佐竹市右衛門の銘があります。





太鼓屋佐竹市右衛門というのは、

実は最近になってある書物から分かってきたのですが、


三浦太鼓店、初代彌市の時の職人が独立し

開いた太鼓屋であることがわかりました。


ということはこの太鼓の“ルーツ”は三浦太鼓店にあったんですね~


使われなくなってしまったことは

非常に残念なのですが、なんだかとっても嬉しくなりました(^^


よって、修理の記録も

歴代の三浦太鼓店の銘がいくつか刻まれていました(^^♪




これは昭和初期に修理された記録。


珍しく、修理代金60円という記録も残されてました~。


これも、現在修理すると約60万円ですからね~( ;∀;)


当時の貨幣価値もよくわかります。



そんな、太鼓が今回実はここから新たな使い手へと

命のバトンがつながったんです(^^♪





もともとは、地域の祭りで使われていた胴の長い太鼓だったのを

少し長さをカットし、現代の創作太鼓用に使い勝手をアレンジ(^^♪


太鼓の胴は膨らみがありますから、

胴を少し短くすると、口径が大きくなり


ここに、三尺八寸の太鼓が完成しました🎶





今回、この太鼓の命をつないでくれた東京で活躍する塚本鷹くん!





新しい音が生まれるその瞬間を共に

作り上げていただきました(^^)/





こちらは、五代目親父でございます(^^♪










使われなくなってしまった太鼓、


一時引き取ったものの、実際はこの太鼓が

どうなってしまうのか・・・・


そんな不安を抱いてましたが、

こうして新しい命の音を吹き込ませていただけたことに


ただただ感謝なのです。




今回、この太鼓の運命に携わる中で感じたことは、


真実の想いというのは、つなぎたいと無理に願わずとも

不思議とつながっていくんだということ。



ウソ偽りのない本物であったり、

ウソ偽りのない真実の想いというのは


不思議と人の心につながっていきます。


だから、いくら古い太鼓であっても

こうして必然と次の担い手が現れてくれる。



真実とは、どれだけ時代が移り変わっても

変わることのない事実ですから。



だから、今新たな息吹を吹き込んだこの太鼓は

きっと私達がこの世の中からいなくなってしまった後も、


真実の“活きた音”でたくさんの人々を幸せにしてくれると確信します(^^♪



時代を超え、世代を超える真実の音は

“つなぐ”と願わずとも自然とつながっていくんだと。


これこそ、私が常々大切にしている“活きた音”そのものですね。


歴代の彌市の銘の横に、誇らしげに

六代目の銘を入れこの太鼓の歴史がつながっていきました(^^


感謝!