2016年4月28日木曜日

新しいことが、本当のモノの価値ではない。

こんにちは、六代目彌市です(^-^)

以前、ブログで紹介もさせていただいた
地元地域の継承者不足によって

行き場のなくなってしまった大太鼓!

次なるご縁を繋いでいただき
本日無事納品の運びとなりました(^O^)/


この太鼓のルーツは初代三浦彌市のお弟子さんが
100年以上前に作った3尺3寸の大太鼓。

これを現在の持ち運びのしやすさや、
使い勝手を考慮し、

胴体を少し短くカット。

短くカットしたことで、
太鼓の胴体は膨らみがありますから
口径が3尺8寸の大太鼓にリメイクされました(^O^)/

これだけ大きいですから、
さすがに運送屋さんではなんともなりません(⌒-⌒; )

これように設計されたかのように
ハイエースにギリギリ収まるサイズでしたので

東京まで今回は車で納品の運びとなりました!


到着するやいなや、

早速台を組み上げ、
いよいよ完成した大太鼓を乗せてみることに!


昔の職人が仕上げた太鼓は、
当然中は全て手彫り。

そして、現在の胴より
薄く削られているのが特徴ですので

三尺八寸ケヤキの大きさにしては
軽いです(⌒-⌒; )

それでも、これだけの大きさが
ありますから4人掛かりでなんとか
上げられる重さ!!


慣れない大きさに戸惑いながらも、
無事台に据えることができました!

台に据えた太鼓は、さすがの貫禄!!



いよいよ、新しいこの子の運命が動きだす!

そんなワクワク感でいっぱいになりました(^-^)


当初お預かりした時は、この状態でした。

そして、これが
胴内に残されていた銘です。


明治●拾年 栄生村大字赤羽
太鼓屋佐竹市右衛門

100年以上たってなお、現代に価値を失わず存在している
この大太鼓を見て改めていろんなことを感じましたよ。


本当のモノの価値というのは、
決して“新しい”ことではない。

最新のモノであったり、
新しいモノこそ全ての価値があり、

古くなって終えば価値がなくなる、、、、

もちろん、そういうモノも世の中には
たくさん存在しますが、

古くなってこそなお、
価値を失わずに存在し続けているモノというのが

この世にはたくさんありますね。

同じ楽器で言えば、
太鼓に限らず、バイオリンもそう。

また絵画やその他の芸術作品の多くに
古くてもなお価値を失わず

それどころか、

価値を高めて存在しているモノ
たくさんありますね。

こうしたモノが教えてくれることは、

本当のモノの価値というのは、
決して新しいということではないということ。

そして、逆に

古いということでもないということ。

歴史を超えて受け継がれるモノには、
必ずその“理由”があり

その理由というのは、多くを語らずとも
自然と受け継がれていくんです。

不思議なようですが、
不思議なことではなく、

その価値は自然と人と繋がっていくんですね。

モノにあふれ、何不自由のない世の中で

物質的な豊かさというのは、
たくさんのモノを、

たくさんの新しいモノを所有すること、、、

そう勘違いしてしまいがちですが、

本当の豊かさとは、
たくさんのモノを所有することでもなければ
新たなモノを手に入れることでもない。

今の時代に生きる私たちに
多くのメッセージを伝え、繋げてくれた
この太鼓と、

新たな息吹を与えてくれた
塚本さんに改めて感謝します!



初打ちは、来月5月8日
中野zeroホール開催の響ノ輪コンサートで予定されるそうです!

残念ながら
私は当日伺えませんが、

これから多くの方に、
多くのメッセージを放つ

そんな太鼓に育ってもらえたら
本当に嬉しく思います。

貴重なご縁本当にありがとうございました!